【解説】住吉大社と初辰まいり Sumiyoshi Taisha
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- Опубликовано: 9 фев 2025
- 住吉大社 神社仏閣 大阪 日本 初辰まいり
大阪の夏は、江戸時代より「 愛染さんに始まり、天神さんで中をとり、住吉さんで締める」 と言われます。
大阪市で開催される天王寺区愛染堂勝鬘院の「愛染まつり」、北区大阪天満宮の「天神祭」、住吉区住吉大社の「住吉祭」のことを「大阪三大夏祭り」や、「浪花三大夏祭」と呼ばれます。
どの神社も愛染さん、天神さん、住吉さんと愛称で呼ばれることが多いことから、「大阪の夏祭りは愛染さんで始まって住吉さんで終る」といわれ
「あい(愛)すみ(住)ません(天)」という言葉の語源となりました。
住吉大社は、全国に2,300社ある住吉神社の総本社で、摂津国一之宮です。
御祭神は、古事記から伊邪那岐命 (いざなぎのみこと) は、火神の出産で亡くなられた妻・伊邪那美命 (いざなみのみこと) を追いかけ、黄泉の国(よみのくに)に行きますが、妻を連れて戻ってくることができず、ケガレを受けてしまいます。そのケガレを清めるために海に入って禊祓いしたとき、住吉大神である底筒男命 (そこつつのおのみこと) 、中筒男命 (なかつつのおのみこと) 、表筒男命 (うわつつのおのみこと) が生まれました。
住吉大社の御祭神は、第十四代仲哀天皇の后である神功皇后 (じんぐうこうごう)を併せて4柱となります。
住吉大神は海中より出現したため、神道でもっとも大事な「祓(はらえ)」を司る神です。 住吉大社の夏祭り「住吉祭」が単に「おはらい」と呼ばれ、古くより「祓の神」と言われています。
海ということもあり航海関係者や漁民の間で、絶大な神として崇敬されてきました。
現在境内にある約600基の石燈籠の多くは、運送船業の関係者から奉納されたものです。
写真の神池に架けられた神橋は「反橋」と称し、住吉大社の象徴として名高く「太鼓橋」とも呼ばれております。長さ約20m、高さ約3.6m、幅約5.5mで、最大傾斜は約48度になります。この橋を渡るだけで「おはらい」になるとの信仰もあり、多くの参詣者がこの橋を渡り本殿にお参りします
御祭神が4柱のため第一本宮から第四本宮までありますが、参拝はどれからしてもいいそうです。
「住吉造」と言われる本殿は、神社建築史上最古の様式の一つで四本宮すべての本殿が国宝に指定されています。
毎月初辰の日は、初辰参りと言って商売繁盛のため、遠方から訪れる人も多く、早朝から大勢の参拝客でたいへんにぎわいます。
種貸社、楠珺社、浅澤社、大歳社の四社をそれぞれにお参りするのが慣わしとなっています。
4社には順番があります。まず種貸社(たねかししゃ)です。
初辰まいり1番参りで、「願いの種」を授かります。
ご祈祷した「お種銭(おたねせん)」を授かり、これを商売などの元手に加えて、資本充実の祈願をします。
楠珺社(なんくんしゃ)は2番参りで、「願いの発達」を祈ります。
「はったつさん」と親しまれ、古くより商いを営む方々から信仰されています。
毎月授かる招福猫(しょうふくねこ)は有名で、猫は奇数月は左手、偶数月は右手を挙げており、この小猫を48体集めると「満願成就」となり、中猫を授かります。さらに小猫48体と中猫が2体そろえると大猫を授かることができるのです。大猫を2体そろえると「大願成就」となります。
毎月欠かさず巡礼したとしても「大願成就」までには24年かかるのです。
浅澤社(あさざわしゃ)は3番参りで、「芸事や美容の願い」に福を授かります。
住吉大社の弁天さんとも親しまれております。
女性の守護神としても知られ、住吉大社参拝の際、女性は必ずお参りするのが習わしです。大歳社(おおとししゃ)は4番参りで、「願いを成就」させてもらえるところです。ここは集金のご利益があります。4社をお参りすることで資金調達→運用→回収という流れができるというわけです。
第一本宮の南側には願いが叶う石「五大力」が集まる「五所御前(ごしょごぜん)」という場所があります。ここは住吉大神が鎮座した時、最初にお祀りされた所で、とても神聖な場所です。
沢山の石の中には五・大・力と書かれた石が混ざっており、その3石を見つけて御守りにすると願いが叶うそうです。
願いが叶えば、石を返しに行きます。返す時は、社務所にある石から同じように小石に感謝の気持ちを込めて五・大・力と書きます。そして自身が所御前で拾った石と一緒に倍にして返します。
「五大力」の石の数だけ幸せが連鎖しているのですね。ここは人気の場所のため石を探す人で賑わいます。
遠い昔から島国日本の海の安全を守り、穢れを祓い続けてきた住吉大社。
先人たちが大切にしてきた考えを今に伝える、広く歴史を感じさせる境内は、立ち寄るには勿体無いくらいゆっくり回ってみるのがいいような気がします。